サッカーのワールドカップをテレビで観戦していますと、まるでハエの大群が飛んでいるような耳障りな音が絶えず聞こえてきます。ブブゼラという開催国南アフリカの民族楽器だそうですが、これでは当のハエ君たちも退散を余儀なくされそうです。
さて、表題の猶存在耶(ゆうぞんざいや)ですが、本山佛光寺から発行されています「家族の絆を考える」シリーズのリ-フレットNo.4からいただきました。副題に「まだ、生きているのか」とあります。実は先回記しました得体の知れない幼鳥くんが本日亡くなりました。懸命?に飢えをしのぐ方法として取り入れた究極のドッグフードの効果もなく逝ってしまいました。意外と食が良かったんですが、よく見ると左足の動作に難があることを発見し、ながくは生きられないと覚悟しておりました。そして朝起きてまず思ったことは、まさに猶存在耶~まだ生きているのか~でした。本山のリーフレットを見ますと、これは煩悩から見れば「我が身よければすべてよし」という人間の本性だそうです。ギクッ。
ちなみに猶存在耶とは、『観無量寿経』の中で、阿闍世王子が父王を牢獄へ閉じ込め、二十一日目に牢獄の門番に生存を問う場面に使われた言葉です。「父の王、今になお存在せりや」と。今回は鳥でしたが、一緒に暮らしている家族のなかで、たとえば年老いた父母が認知症であったりした場合に、その心があるのではと指摘しています。業縁のもようしですが、まちがいなくあるな。