近所のお風呂屋さんの建物が解体されました(写真)。営業は数年前に終了していましたが、建物はそのままになっていました。現在、三条市内で営業しているお風呂屋さんはわずか2軒となってしまいましたが、以前はこんな街としては意外と多かったような印象を持っております。写真のお風呂屋さんにもたまにお世話になっておりましたが、時代の趨勢のようで営業を止められたのは致し方ない面もあります。
銭湯と言えば、東京の大学へ通っていた頃にはよっぱら(とても)おせわになりました。今風のバストイレ付きのワンルームマンションなんてものはほとんどありませんでしたし、あっても高嶺の花で地方出身の仲間のほとんどが銭湯通いの身分でした。そういえば一人だけ贅沢な奴がいたなあ。それはともかく、その当時は銭湯の利用客も多かったので、それだけ銭湯の数もありました。あのなんともいえない風情はとても懐かしいものがあります。
さて、写真のお風呂屋さん。家屋は木造でしたので簡単に解体されましたが、問題は鉄筋コンクリートでできた巨大な煙突です。家屋が密集している場所なので、簡単に壊すことはできません。中途で崩壊してしまうとどこに転んでも、隣の家屋を傷つけてしまいます。どうするんだろうと思っていましたら、写真のように足場を組んで、上から順番に少しずつ輪切りにしてクレーンで降ろすというやり方でした。さすがはプロです。感心いたしました。
ところでこの煙突。身ぐるみそがれても最後までのこる人間の自我のように思えました。機械力の前にはあっけなく崩されていきますが、人間の自我はそうは行きまん。人間のわたし・・・。